海に潜む怪物『シーサーペント』の正体に迫る!

地球の約71%を占める海。ですが、そんな海のおよそ95%は未だ解明されていないといわれています。この記事では、存在が疑われている海の巨大生物『シーサーペント』の解説とその正体について深堀していきます。皆さんも一度は想像したことがあるのではないでしょうか?私たちが普段見ている美しい海。ですが、その下には思いもよらない巨大で恐ろしい存在が潜んでいる…かも、しれませんよ。今回はそんな恐ろしい存在の一つである、『シーサーペント』の謎に迫ります。

  • シーサーペントとは海の巨大生物の総称だった!
  • シーサーペントの正体は9種類に分類される!
    • ①1種類以上の魚類
    • ②1種類以上の爬虫類
    • ③5種の哺乳類
  • まとめ

シーサーペントとは世界中の海に棲息するとされている、細長く巨大な体をもつ未確認生物(UMA)の総称です。特定の生物を指すものではありません。別名、大海蛇(おおうみへび、だいじゃ)とも呼ばれます。正体が特定されたものは殆どありませんが目撃例は中世以降多数存在し、この時代に作られた世界地図にはシーサーペントがよく描かれています。

身体は細長く蛇のような形状で背中に海草のようなたてがみが生えている、あるいはたてがみに見えるほど海草がまとわりついていたとされています。顔は亀やワニ、または馬のようなと表現されており、このように恐ろしい外見をしていますが意外なことに性格はおとなしくあまり人間や船が襲われることはありませんでした。ですがある研究グループの潜水艦に体当たりをしてきたという話もあるため、攻撃性がないとは言い切れません。

このように、シーサーペントに関する目撃例にはばらつきが見られます。共通しているのは長く巨大な胴体を持っているということですが、あくまでシーサーペントはこの特徴を持った生物の総称であることを忘れてはいけません。

フランスの理学博士ジャン・ジャック・バルロワ目撃証言を検証した結果シーサーペントを次のように分類しています。

①1種類以上の魚類

1930年1月31日デンマーク南アフリカの海洋調査船ダナ号は、南大西洋で体長1.84mにもなるレプトセファルス(巨大ウナギの幼生)を捕獲しました。通常ウナギの子供は3㎝であることから、その大きさの違いが分かります。成長すれば約22mになると想定され、成魚はシーサーペントと呼べるのではないかと言われました。

しかし、深海魚の一種であるトカゲギスの中にはこのウナギのような形態のまま、ほぼ成体の20㎝程度まで成長するものがいます。巨大ウナギの幼生は、こうしたウナギ以外の魚の誤認だとされています。

②1種類以上の爬虫類

ここで代表的な生物はモササウルスです。有名な恐竜の映画に登場し、約7000~6600万年前にあたる後期白亜紀の頂点捕食者です。体長16.7mで、ホオジロザメなどの獲物を丸飲みするシーンは圧巻でしたね。この生物は恐竜ではなく海生爬虫類に分類されます。

ここで重要なのは、樽型の胴体から先に連れて細くなる尾びれとワニのような頭部を持ち合わせているという点です。ワニのような頭部は目撃証言でも上がっていました。

そして、類似する生態については1879年4月5日に日本の汽船からシーサーペントとクジラが戦っている姿が目撃されています。当初はクジラがブリーチング(大きなジャンプ)をしているだけだと思われましたが、よく見ると蛇状の何かに襲われていました。そのことからシーサーペントは、クジラを襲い食べるほど巨大な海洋生物ではないかと言われています。

☆ちなみに初めてシーサーペントについて記録を残したのはギリシャの哲学者アリストテレスでしたが、ここにはリビア沿岸に棲む生き物が海岸で牛を食べていたと記されていました。

胴体に関する類似した目撃例は、1964年12月12日にオーストラリア近くの沖合で体長約25mの海蛇のようなものが撮影されています。頭が大きく身体は先細りなので大きなオタマジャクシのような姿をしていました。この写真が解明できなかったことから、シーサーペントという生き物が現代に知れ渡ったとされています。

残念ながらモササウルスは絶滅しており、現在ではその姿を見ることはできません。しかし、実はその子孫が生きているかもしれないという研究があるのをご存じでしょうか?

パプアニューギニアに棲息しているUMA(ミゴー)の正体がモササウルスではないかと言われているのです。まだまだ研究段階のため、本当かどうかは不明ですが可能性はゼロではありません。もし本当に生きているのなら、シーサーペントの正体は絶滅したはずの生物が生き残っていたことになりますね。

③5種の哺乳類

・スーパーカワウソ

未知生物であるスーパーカワウソは、首の長い巨大なカワウソの姿をしています。全長18~20mで指に水かきのある4本の足を持ちます。北極海、ノルウェー海岸、グリーンランド海域に棲息していると思われてきましたが、1948年以降の目撃情報はありません。

・多ビレ

ヴェトナム・マダガスカルなどの熱帯の海に棲息するとされる未知生物。全長約8mで体節と堅い皮膚をもち、『ムカデクジラ』とも呼ばれています。目撃証言には、ロブスターのような尾と毛のある大きな鼻があったと言われていす。

・多コブ

背中に多くのコブが並び、たびたび水面から三角形のヒレと一対の水掻きが目撃されています。全長は18m~20mで、北アメリカの大西洋側に棲息するといわれています。

・ウミウマ

馬のようなシーサーペントの正体はこれだと言われています。ちなみに海馬とは、タツノオトシゴのことを指し、東洋伝説の『龍』に似ていることから『龍が産み落とした子』という名前が付けられたという説があります。

・長首

長い首と4つのヒレのような足をもった未知生物。全長は4~5mから20mほどです。この姿から有名なUMAネッシーに近いものを感じますね。ネッシーは、英国スコットランドに存在するとされていたUMAですが、その正体はニュージーランドのオタゴ大学の研究者がウナギである可能性があると発表しました。

ネッシーの目撃例では、1977年4月25日午前10時40分、日本の漁船(トロール船「瑞洋丸」)が太平洋上で巨大生物の死骸を引き上げ『ニューネッシー』という呼び名で一大UMAブームを引き起こしました。ですが研究の結果、これはウバザメ(または大型のサメ)である説が有力視されています。

様々な目撃証言がありますが、デマだったり見間違いの情報も多いです。ですが一概にも「いない」と断定はできないのが現状なのではないでしょうか。

ここまでジャン・ジャック・バルロワの分類を紹介してきましたが、他の研究者も様々な分類をしています。未知動物学の元祖であるベルギーのベルナール・ユーヴェルマンは、ここに4種類の分類を追加しました。

・メガロドン

英国自然博物館によると、メガロドンは約360万年前に絶滅したとされています。体長が約15mにも達する巨大なサメで、その大きさはモササウルスとほぼ同様です。映画にもよく登場する魅力的な存在なので知ってる方も多いのではないでしょうか。

実はメガロドンは絶滅したと言われていますが、どこかで棲息しているという説が上がっています。1942年、南アフリカのドイツの潜水艦がその姿の撮影に成功しました。潜水艦の奥にとてつもなく巨大なサメの背ビレと尾ビレが映っており、そのヒレの間が約20mと推定されました。

また2013年南アフリカでクジラが襲われているところを収めた写真に巨大な背ビレが映っていました。どちらも南アフリカで撮影されたものであり、同じく南アフリカの深海で撮られた映像に巨大なサメのような影が映りこんでいます。

しかし、メガロドンの研究に携わるイギリス・スワンシー大学のジャック・クーパーさんは、ニュースサイトにてメガロドンは間違いなく絶滅していると断言しています。メガロドンが生きていることを前提にすれば、現在の生態系はもっと変化している。また、深海に棲息している説ではメガロドンの理想的な環境から考えるにあり得ないと述べました。

・あらゆる亀の父

途方もない大きさの亀を指す。

・巨大オタマジャクシ

別名『イエローベリー』とも呼ばれます。黄色に黒の縞模様をもつと言われている。

・巨大な無脊椎動物

この4種類も、前述した目撃情報の特徴に当てはまるのではないでしょうか。

シーサーペントは古代から目撃例は数多く、アッシリアの王サルゴン2世も航海の最中に遭遇したといわれています。また東洋の伝説上の動物『龍』も水と関係が深く、このような伝承は神話や伝説などに脚色されており、生物学的な検証には向いていませんでした。こういった話は大抵、クジラやリュウグウノツカイなどの目撃例だったと考えられます。

現代でも解明してみればどうってことない真実なのかもしれません。ですが、これまで紹介してきたものは未だ仮説にすぎません。最初に言った通り、私たちはまだ海を解明しきれていなのです。そしてここに記述した仮説以外の可能性だってあります。

クラーケンの足だという話や、クジラの生殖器と見間違えたという事例もあります。結局はシーサーペントの正体はわかっていないのです。

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