皆さんは夢日記というものをご存じだろうか?私たちが眠っている間に見る夢。実は、夢についてのメカニズムは長年研究されていたが全ては明らかになっていません。この記事ではそんな夢に関する情報と、夢日記が人に及ぼす影響について医療を学んだ経験から医学的な根拠も交えつつ解説していきます。
- 夢が何なのかは解明されていない!
- 【恐怖!】夢日記は本当に人を狂わせる
- 夢と現実の区別がつかなくなる
- トラウマが増えることによる精神的ダメージ
- 夢日記は悪いことだけじゃない!続けることのメリット
- 明晰夢を見れるようになる
- 故人からのメッセージを受け取れる
- まとめ
夢が一体何なのかは解明されていない!
夢に関する科学的な研究はおよそ120年前から始まりました。現在分かっているのは、人は「ノンレム睡眠」「レム睡眠」を繰り返しながらそれぞれのサイクルで夢を見ている、ということです。そして目覚めたときに憶えている夢は「レム睡眠」中に見ていた夢であることが証明されています。夢を見ている間の身体の機能にもそれぞれ変化がありますが、何故夢を見るのかといったことはわかっていません。
「夢は満足したいという願望の現れ」
ジークムント・フロイト
上記の仮説は、20世紀初頭にオーストラリアの精神科医で精神分析学者でもあるジークムント・フロイトが唱えたものです。この仮説は多くの研究者から支持され、悪夢に関しても見た人が何らかの願望を別の形に変えて夢に表しているとされています。
こういった人々の深層心理を夢から解釈することで、その人の心理状態や願望を明らかにするのが夢占いに繋がったのです。
☆『予知夢』もストレス・心理的・身体的な要因から見ることがある
これは余談ですが、ロシアで『予知夢』に関する研究が行われました。ある消防署で、当時の隊員が火事の夢を見ることがとても多かったのです。そのため隊員の夢について詳しく調査した結果、その夢は火事が実際に起こった日も起こらなかった日も見ていました。火事が起こるかもしれない、というストレスからこの夢を見ていたと考えられています。
これを読んでいる方も聞いたことがあるかもしれません。夢は起きているときに得た膨大な情報を整理し、その一部を憶えているものであるという説を。また、不安や恐怖にかかわる事態が実際に起こった際にうまく対処できるよう夢でシミュレーションをしているとも言われています。
つまり予知夢とは、現実世界で得た情報からどのような未来になるかを想像した結果を見ているということになります。そしてその未来になったときに「予知夢を見た」となるのです。これが予知夢を見た人と、そうでない人の違いでしょう。
ただし、これはあくまで科学的な夢の解釈です。夢には他にも沢山の謎が隠されています。今までまとめた内容は、登場人物が「夢を見ている人」ただ一人の場合のみの話となっています。ここから外的要因が加わることで、夢の内容は大きく変わってくることでしょう。ご先祖様からの警告、亡くなった身近な人からアドバイスや・メッセージなんかを時々夢で見る人もいます。詳しい内容は後に記載していく。
【恐怖!】夢日記は本当に人を狂わせる
よく都市伝説として紹介される一つに、『夢日記を書くと気が狂う』というものがあります。結論から言うと、夢日記をつけ続けると人は本当におかしくなります。何故おかしくなるのか、原因パターンは2つ挙げられるのです。
1.夢と現実の区別がつかなくなる
夢日記を続けると曖昧な記憶から、ある時鮮明に記憶できるようになっていきます。そもそも夢を覚えられない原因はある大学の研究グループが明らかにしており、浅い眠りであるレム睡眠中に脳のメラニン凝縮ホルモン生産神経(MCH神経)が記憶を消去しているのです。理由は明確にはなっていませんが、人間の記憶能力には限りがあり、そのため記憶は取捨選択されているからといった説が有力です。
しかし夢日記をつけ続けることで、人は夢への関心が高くなっていきます。記録し続けることで夢を記憶する力が勝手に訓練されてしまうのです。個人差はあるでしょうが、ある人は夢日記をつけ始めて2か月後に夢をほぼ完璧に記録できるようになりました。それも一つの内容だけでなく複数の夢を復元でき、更には登場人物や環境、場面ごとの自分の感情まで思い出すことに成功。曖昧だった夢がクリアになっていきました。しかし、ここから異変が起き始めたのです。
夢で見たものが現実味を帯びてくるのです。
ニュースで報道された内容、読んだことのある本の再読といったものから、友人たちとの何気ない会話まで夢で見るようになっていく。そうすると段々、自分の記憶と周囲の認識にズレが発生していきました。
「今度の休み一緒に遊ぶ約束だったよね?どこ行く?」
「…そんな約束したっけ?」
と、このように自分でも気づけない些細なズレがどんどんエスカレートしていく。ニュースの内容も、本の内容も他人と会話するときに気付かぬ内に夢で見た内容を話してしまうようになったのです。
夢にばかり意識が向けられ、次第に現実の日常生活の記憶は薄れていきます。その結果夢が現実を侵食していきます。
対策:夢日記をつける際は、これが夢の出来事であると明確にしておくと良い。
2.トラウマが増えることによる精神的ダメージ
夢を記憶できるようになると、現実と同じように印象に残ったものは長期的に記憶されます。その内容は良いものも悪いものも含め、悪いもの、いわゆる悪夢の内容も記憶できるようになるのです。その内容があまりに衝撃的なものであればトラウマになってしまうことだってあります。
そしてそれは、新たなトラウマに限ったものではありません。過去に体験したつらい出来事や元々持っていたトラウマを再度夢で体験してしまうこともあります。避けたい過去や向き合いたくなかった気持ちや事実に気づいてしまったり、同じ苦しみを味わうことになるのです。
嫌な思い出はより記憶に残りやすい。何度も繰り返し思い出すたびに夢で同じ内容を見る確率も上がってくることでしょう。トラウマになった記憶を何度も何度も繰り返し体験し続けることで人は精神を崩壊させてしまいます。
対策:夢を忘れ、記録しない。思い出さない。
夢日記は悪いことだけじゃない!続けることのメリット
1.明晰夢を見れるようになる
ここまで夢日記が人に及ぼす影響について解説してきましたが、実は悪いことだけではありません。夢日記をつけようと考えた人の中には『明晰夢』を見るためという目的がある人も多いでしょう。
☆明晰夢とは、自分が夢の中にいることを自覚し、その上で思い通りにコントロールできる状態のことを指す。
現実では到底不可能なこと、例えば鳥のように空を飛ぶといったことを夢の中で現実のように体験できるのです。医師であり、ハーバード大学睡眠医学教授のラファエル・ペラージョは、10代の時に明晰夢を見たことがきっかけで睡眠への探求心に火が付いたと言います。「もし同じように明晰夢を見たことがある人ならば、それは実際におこるものだと分かる体験です」と述べました。
夢を見る人の中には五感まで体験する人も少なくありません。匂いや味まで分かる人もいます。それをコントロールできるとなれば、夢はどちらの意味でも広がることでしょう。
そしてその『明晰夢』を見るための訓練方法が夢日記なのです。夢をより鮮明に、現実味を帯びさせることで、夢の中の自分の意識までもクリアにさせていく。現実と同じように。
ただし自分でしっかりコントロールできるようになるまでに、まず夢の中でこれは夢であることを自覚しないといけません。自覚したのち、夢であると分かっているのに起きれないといった事例もあります。そしてより現実味を帯びた状態で見る悪夢の影響は計り知れない。このことから、『明晰夢』を見れるようになるまでは恐ろしいリスクもあることを忘れてはいけません。
2.故人からのメッセージを受け取れる
守護霊や善霊、浮遊霊などの低級霊も人の夢に干渉できます。だからといって怖い夢がすべて霊的なものが原因とは限りません。過去に見たホラー番組と、別の記憶が混ざることにより悪夢と化してしまうこともあります。
では、霊が干渉する夢の特徴とは何か?
霊が視えるという特異な能力を持つ芸人ことシークエンスはやもとさんによると、『全く記憶にない人・景色が出てくる』といった夢は霊による干渉である確率が高いという。
夢というものが本来見ている人の記憶の整理なのであれば、全く知らないものが出てくるのはおかしい。更に見知らぬ人物と会話が出来ている、かつ自分の想像通りに進まないという時点でほぼ霊に干渉されているといってもおかしくない。夢は脳が想定するパターンで進むため、それ以外の展開になると他者からの干渉を受けている可能性はゼロではないのです。
以上のことから、前述した『予知夢』に関する内容の解釈も変わってくるのではないでしょうか。自分の脳が未来を予想して見せた夢と、別の”何か”が見せた夢では解釈が異なってきます。そういった意味でも夢日記をつけることで、じっくり考えたり詳しく夢占いをすることで隠された意味に気付くことが出来たりします。
まとめ
夢日記は本当に人を狂わせる危険があることが分かりました。ですがリスクと原因が分かっていれば対策も浮かんでくるというものです。この記事は夢日記を推奨するものではありませんので、実行するにあたってはあくまで自己責任でお願いします。夢ではなんだってできる。だからこそロマンあふれる謎だと思います。
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